経鼻内視鏡.jP
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肉眼型による胃がんの分類

2015/11/01

最近、「芸能人ががん」という報道を耳にすることが多いですね。
日本人のがんの部位別では、統計的に一番多いのは「胃がん」です。
一口に胃がんと言っても、実はいくつかの型に分類されてるってご存知ですか?
今回はこの「胃がんの分類」について解説します。

胃がんは、その肉眼的な形でもって分類されます。早期胃がんに分類はその形状で分類され、進行性胃がんの分類の指標としては「ボールマンの分類」とされるもの(これも形による分類です)が広く使用されています。

早期胃がんの分類
0型:表在型。早期胃がんの段階であり、病変の肉眼的形態が軽度な隆起や陥没を示す程度にとどまるタイプで、0型は更に次のように分かれます。

*Ⅰ型:隆起型。明らかな腫瘤(しゅりゅう)状の隆起が認められるものです。
*Ⅱ型⇒ⅡA型:表面隆起型。表面型ではあるが、低い隆起が認められるものです。
    ⅡB型:表面平坦型。正常粘膜にみられる凹凸を越えるほどの隆起や陥没が認められないものです。
    ⅡC型:表面陥没型。わずかなびらんまたは、粘膜の浅い陥没が認められるもの。頻度として最も高く、早期がんの1/3を占めるものです。
*Ⅲ型:陥没型。明らかに深い陥没が認められるもの。

進行性胃がんの分類(ボールマンの分類)
*1型:限局隆起型(げん きょくりゅうきがた)。
粘膜から盛り上がっているもので、頻度は低く予後は良いタイプです。
*2型:限局潰瘍型(げんきょく かいようがた)。
進行がんの内 25%にあたり、潰瘍を作り境界が比較的明瞭なタイプです。
*3型:浸潤潰瘍型(しんじゅん かいようがた)。
進行がんの内 40%にあたり、潰瘍を形成し、境界が不明瞭のタイプです。
*4型:びまん浸潤型(びまん しんじゅんがた)。
粘膜層の下に木の根のように広がっていきます。著しい潰瘍形成はなく、胃壁の肥厚・硬化を特徴とします。病巣と周囲の粘膜は境界が不明瞭です。
*5型:分類不能、上記のいずれにも当てはまらないものです。

メディアでもよく聞くようになってきた「スキルス胃がん」は進行性胃がんの分類の4型:びまん浸潤型に含まれます。
限局型は肝臓に転移しやすく、浸潤型はがん性腹膜炎を起こしやすいとされています。

早期がんと進行がん
胃がんを始め、食道、大腸等の消化器官のがんは、がんの大きさで早期がんなのか進行性がんなのかを区別することはできません。大きかれ小さかれ、そのがんが「どれだけ深く進行しているか」で分類されるのです。
つまり、大きくても早期がん、逆に小さくても進行性のがんであることもあるわけです。

早期発見のために、定期的な健診(1年に1度の胃内視鏡検査)をおすすめします。