こんにちは。
少し前ですが、胃ポリープについてお話ししたことを覚えていますか?
胃のポリープは大きくわけて下の3つに分かれています。
・胃底腺ポリープ
・腺腫性ポリープ
・過形成ポリープ
以前に「過形成ポリープ」、「胃底腺ポリープ」にをご紹介しましたので、今回は最後の「腺腫性ポリープ」についてお話ししていきます。
胃の腺腫性ポリープは一般的に「胃腺腫」と呼ばれます。見た目は白っぽく、平坦なこぶのような形をしています。胃ポリープと似ていますが胃ポリープは上皮の過形成によるものに対し、胃腺腫は異型上皮(上皮細胞が変化している状態)で構成されています。また、胃がんと同じ背景の胃粘膜にできます。
前に、胃底腺ポリープは女性にできやすいポリープと紹介しましたが、腺腫性ポリープは女性よりも男性の方ができやすく、また特に高齢の人にできやすいとされています。
胃ポリープはほとんどの場合は癌化しないとされていますが、この腺腫性ポリープは比較的癌化しやすいとされており、2cm以上になると約半数ほどに癌の合併が見られます。そのため、見つかった場合には組織を採取し、その結果がとても重要になってきます。
これといった自覚症状がないケースが多いのが特徴ですが、ポリープが原因で起きている慢性胃炎がある場合は、みぞおちのあたりの痛み、膨満感、食欲不振などの症状が引き起こされるケースがあります。
また、ポリープの表層部分から出血がみられる場合があり、この状態が長く続くと、貧血を引き起こす原因になってしまいます。
腺腫性ポリープが大きかった場合や、出血している場合には取り除かなければいけない場合があります。
ただし、小さめのものや、逆に大きすぎて取り除けない場合には組織を採取し生検を行うことにより、経過を観察していく形になります。頻度としては1年に1回と低い場合もあれば、3ヶ月に1回内視鏡検査を行なわなければならない場合があります。
いかがでしたか?
腺腫性ポリープは前回ご紹介した胃底腺ポリープや過形成ポリープとは違い、癌化する可能性のあるポリープです。
バリウム検査だけではどんなポリープなのかを確認することはできませんから、診断のためには内視鏡検査を受けて組織検査を受けることがとても重要になってきます。
既に腺腫性ポリープが見つかっている方は、定期的に胃の内視鏡検査を受けて。癌になっていないかを経過観察することが大切です。