皆さんこんにちは、横浜市胃腸科肛門科のららぽーと横浜クリニックです。
暑い日も続いていますが、体調を崩していませんか?
ついつい冷たいものばかり食べてしまう季節になりましたね。
胃の調子はどうでしょうか?若いころに比べると脂っこいものが食べられなくなり、胃もたれや胸やけを起こすようになったという方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回は胃を若々しく保つポイントをご紹介したいと思います。
胃は、食道から送られてきた食べ物を一時的に貯め、胃液を分泌して食べ物を消化するという役割の臓器です。
若くて健康な胃は胃粘液がたくさん分泌されていて、食べ物を溶かす強力な胃液からしっかりと胃を守ってくれています。
しかし、年齢とともに老化が進むと粘液量が減り、胃を守れなくなってしまいます。そして、胃酸の分泌、蠕動運動も弱ってきます。
その結果、若い頃には平気だった飲みすぎや、食べすぎ、睡眠不足、ストレスなどの変化に対応できなくなり、胃もたれなど様々な胃の不快な症状をくり返し感じるようになってしまうのです。
年をとれば人は誰でも老化していってしまうものですが、老化を早めてしまう原因はあるのでしょうか。
胃の老化の一番の原因は、なんといってもヘリコバクター・ピロリの感染だといわれています。一度感染してしまうと、除菌を行うまで胃にとどまって悪さをし続けます。長い間放置しているとどんどん胃の粘膜が荒れていき、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、萎縮性胃炎などの病気に繋がってしまいます。そのため、ピロリ菌がいるとわかっている方は速やかに除菌を行い、症状の悪化を防ぎましょう。感染していないかが心配な方はピロリ菌がいるかいないかの検査をすることをお勧めします。内視鏡検査をはじめとしていくつかの検査方法がありますので、胃腸科にかかり相談をしてみましょう。(ピロリ菌とは:https://www.keibi-naisikyou.jp/pylori/)
日頃の食事内容に気を遣っていなければ、食事も胃のトラブルを引き起こす原因になります。
例えば、食事を抜いてしまい胃の中が空の状態が長時間続くと、胃が荒れることに繋がります。また、食べる際、よく噛まずに飲み込む人がいます。しっかりと噛んで食べた物は消化しやすい形になって胃に到着しますが、咀嚼回数が少ないと、胃に多大な負担がかかり、胃痛や胃酸の出過ぎによる胃潰瘍、胃食道逆流、胃癌の原因に繋がります。食事は腹八分にとどめ、よく噛んで胃への負担を減らしましょう。
また、脂肪分の多いものは、糖質などと比較して十二指腸へと送られるまでに時間がかかってしまいます。そうすると、そのぶん胃が働く時間が長くなりますので、負担が大きくなります。
他にも、過度に熱いものや冷たいもの、味の濃いものや辛いものなどを摂ると胃壁のダメージに繋がってしまいますし、アルコールは、胃粘膜に対しダイレクトにダメージを与えてしまいます。これらの食事を全く取らないようにするということは難しいと思いますが、食事をよく噛み、栄養バランスのとれた食事を心がけるようにすることが胃を若く保つためのポイントです。
タバコは肺を悪くすると思われている方も多いと思いますが、実は胃にも関係しています。喫煙すると交感神経を興奮させてしまい、自律神経のバランスが乱れます。また、タバコを吸うと胃の血流が悪くなるので、胃の運動機能も低下し、老化に繋がってしまいますのでできるだけ控えるようにしましょう。
ストレスが溜まると消化機能を低下させ、胃粘膜が弱くなり、老化に繋がります。
その為、ストレスは貯めこまず、こまめに発散することを心がけましょう。
内視鏡で胃の内部を見ると、健康な人の胃壁は、きれいなピンク色をしています。他の臓器も同様ですが、胃の内壁は表面が粘膜で覆われています。若くて健康な胃の粘膜には、ある程度の厚みがあって、きれいな光沢をもっているのですが、胃が老化すると、この胃粘膜が萎縮して、薄くなっていきます。
すると、粘膜の下にある血管が見えてしまいます。これを「血管透見(とうけん)」といい、胃の老化を見分ける目安になります。老化が進むと、萎縮度合いが高くなり胃の内壁全体が血管だらけに見えるんです。
「ペプシノゲン」(胃の細胞から分泌される消化酵素・ペプシンのもととなるもの)という物質の血中濃度を測定することで胃粘膜の健康状態(萎縮・老化程度)を客観的に定量することが出来ます。ペプシノゲンは一部が血中に流れ出しますので、血中濃度を測定することにより胃粘膜でのペプシノゲン生産度が分かり、血清ペプシノゲン量が少ないと胃粘膜が老化しているといえます。
いかがでしたか?
胃が老化してしまうと、食べたいものが食べられなくなってしまったり、胃もたれや胃痛などの症状につながってしまいます。
胃を若々しく保つためには、ピロリ菌がいればこれの除菌や食事内容、ストレスを貯めないことが大切です。
現在は胃内視鏡検査や血液検査で胃が老化しているかどうか判断できますので、胃の不調が長く続く際には、我慢せず一度病院を受診しましょう。