こんにちは。
以前にも胃のポリープの話をしましたね。
おさらいですが、胃のポリープは大きくわけて下の3つに分かれます。
・胃底腺ポリープ
・腺腫性ポリープ
・過形成ポリープ
今回はこの中から「胃底腺ポリープ」についてお話します。
*胃底腺ポリープはどんなポリープ?
胃底腺ポリープは、その名の通り胃底腺(胃酸などを分泌する)の粘膜に発生します。米粒大の小さな無茎性、または亜有茎性の隆起です。数ミリ程度の半球状のポリープで、表面はなめらか、特に色の変化はありませんが、多発します。
女性に多くみられ、女性ホルモンなどの関与の指摘もされていますが、はっきりした原因は不明です。胃底腺ポリープができる粘膜は萎縮もあまりなく、状態が良好なことも特徴です。つまり比較的元気な胃にできるということですね。また、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の関与も否定的です。胃底腺ポリープは通常はがん化もしませんし、自然に消失することもあります。
*症状はあるの?
胃底腺ポリープは、胃酸分泌が盛んで萎縮が少ない胃粘膜に多く発生します。そのことから、過酸症状(上腹部痛、胸やけなど)を自覚することがあります。ですが、これはポリープそのものの症状ではありません。
では胃底腺ポリープの指摘があった際には、治療が必要なのでしょうか?
先述したように、これらの症状に対して、胃酸の分泌を抑える薬の処方が必要になることがありますが、ポリープそのものの症状ではないことから、ポリープ切除といった治療の必要はありません。
どうでしたか?
以前お話した過形成性ポリープとは似ているようで、全然違うポリープなんだな~ということはお分かりいただけたでしょうか?
胃底腺ポリープは多発することが多いため、胃カメラの後に内視鏡検査の画像をみてびっくりされる方も多いかもしれませんが、胃底腺ポリープは良性でがん化されないともされています。
ポリープは良性であっても、胃の中をしっかり観察するという点では毎年胃内視鏡検査を受けて胃の安全確認は必要ですね。