胃の精密検査法には、胃内視鏡検査と胃バリウム(透視)検査があります。従来の口からの胃内視鏡検査は嘔吐反射のためにつらい検査となることが多く、レントゲン技師だけでも容易に行えるバリウム検査が胃の検診や精密検査の主役でした。 しかし経鼻内視鏡の登場によって胃カメラはつらい検査ではなくなったため、胃の検診や精密検査は内視鏡が最善の選択肢になりました。検診での胃バリウム検査は、将来的に、ほぼ行われなくなると言われています。
両者を比べると、胃内視鏡検査の方が圧倒的に有利な検査であることが分かると思います。ただし従来の胃内視鏡検査では嘔吐反射でつらい検査となることがあるため、経鼻内視鏡検査がお勧めですが、経鼻内視鏡検査に習熟している医師は少ないのが現状です。
その他の胃の検査法、従来の会社の検診で行われているのは、採血によるペプシノゲン検査です。 陽電子を用いたPET検査は、患者さんにとって楽な検査ですが、精度が高くなく、癌がなくてもひっかかることもあります。早期の病変を正確に見つけることはできません。
このように他の検査と比較すると、胃内視鏡検査、特に経鼻内視鏡検査がいかに最善の検査法であるかが分かります。胃の精密検査法の比較(胃内視鏡検査vs胃バリウム検査)
バリウム検査のメリット
バリウム検査のデメリット
胃内視鏡検査のメリット
胃内視鏡検査のデメリット
その他の胃の検査法
血液中のペプシノゲンの割合を調べると、胃粘膜の萎縮の程度、胃粘膜の炎症の有無、胃の分泌機能が分かります。
胃粘膜の萎縮は胃がんにつながりますので、間接的にではありますが、胃がんの検査といえます。ところが、このペプシノゲン検査には、粘膜の萎縮と関係なく発症する胃がんや、バリウム検査では容易に診断できる進行胃がんが逆に見逃されるという大きな欠点があります。
また、採血での腫瘍マーカー値(CEA,CA19-9)は、胃がんが相当進行しないと異常値にならないため、がんの予防・早期発見の手段としては不適当です。
結論的には経鼻内視鏡検査が最善
胃内視鏡検査は「直に胃の粘膜を見る」方法なので、発見の難しい微細な病変も発見でき、同時に組織検査もできるため、確実な診断が可能です。
また、経鼻内視鏡検査に習熟した医師の技術によって、非常に楽な検査を受けることができます。