血液検査で胃癌になりやすい人を見つけることができます。
企業の検診で最近行われるようになってきた「ペプシノーゲン検査」というものがあります。
これは、採血の項目の一つです。
企業の検診では、採血が必ず行われるので、項目を追加するだけなので、簡単に結果がわかります。
この「ペプシノーゲン」(=ペプシノゲン)とは、慢性萎縮性胃炎の指標です。
ペプシノーゲンは胃液に含まれる消化酵素のもとで、血液中にも存在しています。
加齢、ストレス、飲み過ぎなどで胃の粘膜は次第に萎縮していき、血液中のペプシノーゲン量も低下していきます。
血液中のペプシノーゲンを測定することで萎縮性胃炎の進み具合を知ることができるのです。
つまり、検診の結果が「ペプシノーゲン異常あり」だと「慢性萎縮性胃炎の確率が高い」ということになります。
(参照)急性胃炎・慢性胃炎とは
「慢性萎縮性胃炎」は胃癌の発生母地であることがわかっていますから、
間接的に、「ペプシノーゲン異常あり」→「胃癌要注意!」
という意味になり、胃内視鏡検査(胃カメラ)が必要です。
しかし、ペプシノーゲン検査にも欠点があり、慢性萎縮性胃炎と関係なく発症するタイプの胃癌の発見には当然ですがつながりません。
例えば、比較的若年者に多い未分化型腺癌は慢性胃炎を母地としませんし、進行癌がある場合も慢性萎縮性胃炎がなければペプシノーゲン陽性にはならないことが本質的な欠点と言えます。
繰り返しになりますが、ペプシノーゲン検査はあくまでも慢性萎縮性胃炎を診断するものです。
専門家の見地から言うと、検診で行われている「ペプシノーゲン検査」や「胃のバリウム検査」は癌を見つけるという観点では精度が良くありません。
胃の症状があれば、一番精度が高い胃内視鏡検査(胃カメラ)が保険適応で受けられますから、是非そうしたいものです。
今では鼻からの胃カメラの登場で、一気に敷居が下がりました。