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胃炎か胃癌か見分けがつかない! 胃内視鏡診断のココロ

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2011/12/24

胃の内視鏡検査(胃カメラ)を受けたことがありますか?

胃の病気による症状はたくさんあります。
胃の痛み、胃もたれ、胸やけ、吐き気、腹痛、腹部膨満感、黒色便、下痢・・・

症状が出たり出なかったりする病気もあるので、お薬で症状がなくなったとしても安心は禁物です・・・胃内視鏡検査を受けると診断がほぼ確定します。

実はこの胃内視鏡検査(胃カメラ)ですが、医師の立場からするとなかなか奥が深いのです。
まず、(患者さんが楽に検査できるかどうかは別にして)挿入手技的には胃の内視鏡検査は大腸内視鏡と比較すると単純です。
このことは、胃の内視鏡検査を行えるけれども大腸内視鏡を行えないクリニックがあることからも容易に想像できるでしょう。

ところが、胃の内視鏡検査は別の意味で難しいのです・・・肉眼で行う診断や判断が難しいのです!!

胃の表面は、特に慢性胃炎がある場合はゴツゴツ(デコボコ?ザラザラ?)しています。
これが本当に慢性胃炎によるデコボコなのか、あるいは癌があるのか、見分けがつかないことがあるのです。
(もちろんプロですから、ほとんどの場合は一目で鑑別できますが)

そこで、インジゴカルミンなどの色素を散布して、デコボコ具合をもっと鮮明にしてわかりやすくしてから再度観察したりします(色素散布によってはっきりしてくる癌も存在します)。

しかし、いくら丁寧に観察したとしても肉眼的な判断だけでは「予測」にすぎないという面もあり、「念には念を」の精神で細胞を一部採取して病理組織検査(顕微鏡検査のことです)に提出することもあります。

そういう意味では、胃内視鏡検査(胃カメラ)においては医師の眼力や判断力が問われるということになります。
診断が「胃炎」と「胃癌」とでは、患者さんの立場から見ると天国と地獄の違いがあります。

(参照)「萎縮性胃炎に見える胃がん」

より正確な診断と判断が行えるように、内視鏡医は修練に励むココロを常にもっておかねばなりません。
(私の先輩医師で「心はいつも研修医です」と常々おっしゃる先生がいました。)