胃がんとは胃にできる悪性腫瘍で、現在日本で最も多いがんです。 (参照:ピロリ菌とは) 胃がんは相当進行しないと症状が出ない。これらの進行がん症例もがんによる症状はなかった。 採血検査では、がんがかなり進行しないと異常値にならないため、がんの予防・早期発見の手段としては不適当です。また、バリウム検査はあまり費用のかからない診断法ですが、いわば「影絵で判定する」方法なので、小さな病変や平坦な病変は発見が難しく、検査精度に限界があります。 一方、胃内視鏡検査は「直接胃の粘膜を見る」方法なので、微細な病変も発見でき、同時に組織検査もできるため、確実な診断が可能です。「オエッ」という嘔吐反射が起こらないことが特徴の経鼻内視鏡が登場したことで、検査の苦痛は大幅に緩和されました。 経鼻内視鏡検査の普及により、胃がんは早期に発見されるものが増えてきています。早期発見できれば内視鏡で切除することも可能です。 胃アニサキス症の症状は、激しい胃痛と嘔吐です。 細長くて白い糸のようなアニサキスの虫体。この場合には、生検鉗子で取り除くと、速やかに胃痛は消失した。 胃粘膜下腫瘍とは、胃の粘膜の一層下の部分にできた腫瘍のことを指します。 表面平滑な粘膜の隆起として認められる。ほとんどの場合が経過観察のみで十分。 食道の粘膜下腫瘍 胃の裏側には膵臓(すいぞう)があります。 迷入膵はわずかに陥没した部分を含んだ粘膜の隆起として見つかる。 誤って薬包ごと服用してしまった症例 食道がんとは食道にできる悪性腫瘍で、最も多いがんです。 食道がんは相当進行しないと症状が出ない。 採血検査では、がんが相当進行しないと異常値にならないため、がんの予防・早期発見の手段としては不適当です。また、バリウム検査は比較的安価に行える診断法ですが、いわば「影絵で判定する」方法なので、小さな病変や平坦な病変は発見が難しく、検査精度に限界があります。 一方、内視鏡検査は「じかに粘膜を見る」方法なので、食道と胃のごくわずかな病変も発見でき、同時に組織検査(生検)もできるため、確実な診断が可能です。 経鼻内視鏡検査の普及により、食道がんは早期に発見されるものが増えてきています。早期に発見できれば内視鏡で切除することも可能です。 食道裂孔ヘルニアとは食道と胃のつなぎ目の筋肉が弱くなって隙間が大きくなり、胃の上部の一部だけが食道の方にずれ出てきた状態のことを言います。 頻度は滑脱裂孔ヘルニアが最多。 食道カンジダ症とは、カンジダというカビの一種が食道の中で増殖してしまうものです。 食道に白い点の集簇(カンジダ)が見られる 正常な成人にも見られますが、免疫力が低下する高齢者や糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、膠原病などでステロイド薬を服用している人などに多く見られます。食道カンジダ症は自然治癒することも多く、自覚症状がなければ、特に治療せずに様子を見ても大丈夫です。 食道粘膜の下を通っている静脈が膨らんで、血管がこぶのようになる病気です。 肝硬変患者の食道静脈瘤。破裂の兆候があれば治療が行われる。 食道静脈瘤の治療としては、以下のようなものがあります。 内視鏡で静脈瘤を確認しながら、注射針を用いて硬化剤を注入し、静脈瘤を固めてしまう方法です。 内視鏡を用いて食道静脈瘤を輪ゴムで縛って脱落させる方法です。胃がん
進行とともに胃壁深くに浸潤していき、やがて胃の周囲のリンパ節、肝臓、腹膜、肺などに転移し生命を奪います。原因についてはまだ解明されていませんが、ピロリ菌との関係が注目されています。胃アニサキス症
この症状は、海産生物に寄生する寄生虫の一種アニサキスの虫体が胃壁を食い破ろうとして起こる症状です。
人に感染する時はサケ、サバ、アジ、イカ、タラなどの魚介類から感染することが多いとされています。
治療法としては、胃内視鏡で胃の中にいる虫体を確認し、生検に用いるものと同じ鉗子(かんし)を用いて虫体をつかんで取り除きます。胃粘膜下腫瘍
胃内視鏡検査で、粘膜の隆起として認められます。表面は平滑なことがほとんどで、まれにくぼみや潰瘍があります。胃粘膜下腫瘍のほとんどが良性腫瘍です。
大きさが2cm以下の場合には年1回程度の内視鏡検査を受ければ十分です。
それ以上の大きさになると、悪性腫瘍を疑う必要があります。
食道にできた場合もほとんどが治療の必要がない。迷入膵(めいにゅうすい)
胃と膵臓の組織は胎児期に分離します。その際に、膵臓の組織のわずか一部分が胃の筋肉の層に誤って迷い込んでしまうことがあります。この迷い込んだ膵臓組織を迷入膵(副膵)と呼んでいます。
胃の出口付近に多く発症します。無症状であり、切除する必要もありません。もちろん悪性ではありません。
治療は必要ない。胃内異物(誤飲)
端がとがった薬包は、胃腸の粘膜を損傷する可能性がある。
胃内視鏡にて異物摘出が行われ、事なきを得た。食道がん
進行とともに食道壁へ深く発展し、やがて食道の周囲のリンパ節、肝臓、肺などに転移し生命を奪います。原因についてはタバコ・アルコールとされています。食道がんは症状がほとんどありません。
相当進行した場合は、食道のしみる感じ、喉のつかえ感、胸やけ、胸痛、咳、声のかすれなどの症状が出てきます。食道裂孔ヘルニア
ほとんどの場合、治療は必要ありません。
食道裂孔ヘルニアが高度になると、胃液が食道に逆流し、食道の炎症を招きます。
胸やけなどの症状をきたすようになると、内服治療が必要になります。
食道カンジダ症
「自分の身体の中でカビが繁殖」と聞くとビックリするかもしれませんが、カンジダはもともと人間の身体のなかに住み着いている常在菌です。
身体の免疫がたまたま低下すると増殖して、内視鏡検査でと白い点状のものとして認められます。
食道がしみる感じや胸やけなどの症状があれば、内服治療が行われます。食道静脈瘤
肝臓から出ている門脈という血管の圧力が、肝硬変などを原因として異常を来している患者さんに、多く見られます。
食道静脈瘤には、日常的な症状はありませんが、原因となっている肝臓の病気が進行すると、何らかのきっかけで静脈瘤が破裂して吐血や下血などが起こります。
肝硬変の方やお酒を飲まれる方は、毎年必ず胃内視鏡検査を受けましょう。
原因となっている肝硬変の症状には、手のひらが赤くなる「手掌紅斑」、胸のあたりに血管が浮き出る、疲労感、倦怠感、黄疸などが挙げられます。食道静脈瘤硬化療法(Endoscopic injection sclerotherapy : EIS)
内視鏡的静脈瘤結紮術(Endoscopic variceal ligation : EVL)
簡単で安全性に優れていますが、再発も少なくありません。
最近ではEISとEVLのメリットを生かしながら、両方を併用する事もあります。