経鼻内視鏡検査とは、先端に高性能カメラがついた5mm程度の超極細チューブを鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸を観察する検査です。 口からの内視鏡検査と比較した経鼻内視鏡検査の長所は、以下のとおりです。
風邪などで病院を受診した時に、ヘラのようなもので舌を押さえられて「オエッ」となったことはありませんか?歯磨きの時にもなりやすい方がいます。これを「咽頭反射(いんとうはんしゃ)」といいます。
口からの内視鏡検査では、口がふさがれてしまうために会話をすることができません。一方、鼻からの内視鏡検査の場合は、口が塞がれないため検査中でも医師と会話する事ができます。これにより検査の安全性も高まることになります。
従来の事前準備では、口から喉にかけて広範囲に局所麻酔を行います。その結果、検査後も2時間は飲水や食事ができませんでした。しかし、鼻からの内視鏡検査の事前準備は、鼻腔内(びくうない)への少量の局所麻酔のみで済むため、検査終了後1時間程度で飲水や食事をすることができます。 鼻からの胃内視鏡検査と従来の口からの内視鏡検査の両方を受けた経験のある方を対象としたアンケート結果では、次回の検査で経鼻内視鏡検査を希望される方が90%以上でした。検査中の苦痛や検査後の制限が少ないので、「口からの内視鏡とは比較にならないくらい楽」という感想が多数です。
経鼻内視鏡検査によって、胃痛・胃もたれなどの原因となる胃潰瘍や胃炎は勿論のこと、日本で年間10万人以上がかかっている胃がん(がんの部位別では第1位)の正確な診断が可能です。また、胃がんになりやすいとされている、慢性胃炎の有無から発がんのリスクを判定することもできます。
胃炎や胃潰瘍を診断する際に必須の検査である経鼻内視鏡検査ですが、近年は胃がん検診でも主役となりつつあります。 経鼻内視鏡は「直に胃の粘膜を見る」方法のであり、非常に小さな病変も発見できるとともに、組織検査(生検)もできるため正確な診断が可能です。ここ最近では、胃の病気が疑われた場合、胃内視鏡検査を行うのが主流になってきています。
鼻から行う楽な胃の検査法
従来の口から行う胃内視鏡との一番の大きな違いは、「オエッ!」という嘔吐反射が起こらないことです。楽に行える経鼻内視鏡の登場により、胃内視鏡検査の苦痛は大幅に緩和されたといえます。
胃カメラはもう苦しくない!
1. 嘔吐感がほとんどない
従来の口から行う内視鏡検査では、往々にしてこの咽頭反射が起こるので、検査が苦しくなりがちでした。しかし、鼻からの内視鏡検査の場合は舌の根元に触れることなく挿入されるため、咽頭反射が起きず、ほぼ吐き気なく胃の検査を行うことが出来ます。2. 検査中に医師との会話も可能
3. 検査後30〜60分で飲食可能に
4. リピート率は90%以上
経鼻内視鏡でできること
従来の会社の検診などで行われている採血検査は、胃がんには間接的にしか関係しておらず、腫瘍マーカー値(CEA,CA19-9)は、がんが相当進行しないと異常値にならないため、がんの予防・早期発見の手段としては不適当です。また、バリウム検査は「影絵で判定する」方法なので、小さな病変や平坦な病変は発見が難しく、検査精度に限界があります。